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富山県立自然公園
【とみさんけんりつしぜんこうえん】


県南部,富山(とみやま)町のほぼ中央部にある富山とその北東にある伊予ケ岳を中心とする県立自然公園。昭和39年指定。面積4.9km(^2)。富山は房州を開拓した天富(あめのとみの)命にちなんで付けられたと伝えられ,滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」の舞台としても有名で,伏姫と妖犬八房が住んだという伏姫の籠穴がある。山容は穏やかな曲線を示し,南北2峰に分かれた山頂からは東京湾岸の岩井海岸や三浦半島が一望できる。山すそに植林されたスギや尾根筋に残されたクロマツは森林美を形成し,山頂付近にはシイの極相林があるほか,山全域の林床には約60種のシダ植物が繁茂する。伊予ケ岳は標高300mくらいまでは樹林であるが,それより上は鋭い岩峰がそそり立ち,安房の妙義山ともいわれる。これら両山を中心とする公園一帯は,温暖な気候を利用して房州ビワ・夏ミカン・西洋野菜・切花などが作られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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