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莫越山神社
【なこしやまじんじゃ】


丸山町沓見にある神社。祭神は手置帆負命・彦狭知命。社伝によれば,神武天皇元年天富命が忌部諸氏を率いて安房国に来た時,一緒にやってきた天小民命が忌部の神の手置帆負命と彦狭知命とを莫越山上に祀ったのが当社の始まりという。同町宮下に同名の神社があり,「延喜式」神名帳朝夷郡条に見える莫越山神社が,両社のうちどちらであるかは確定できない(安房国神社志料/房総叢書)。祭神の2神は工匠の祖神といわれ,子屋安神社とも称した。現在でも建築業関係の人々の崇敬を受けている。社伝では,治承年間に源頼朝が社領20町を寄進し,社殿を造営。その後荒廃したが,里見氏の時になって里見義康が社領を寄進し,同忠義が社殿を改修した。天正年間までは社領30石を領したが,豊臣秀吉が増田長盛に行わせた検地によって,社領は3石に減じられたという。江戸期には領主松平忠国が灯籠を寄進している。明治6年郷社に列した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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