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日吉神社
【ひえじんじゃ】


東金(とうがね)市大豆谷にある神社。祭神は大山咋命。山王権現・山王宮と呼ばれた。社伝では,大同2年に最澄が近江国坂本村の山王神社の神霊を捧持し,安国山の嶺頂に奉斎して山王権現と称したのが当社の創祀という。嘉慶元年に現在地へ遷祀したが,それは1人の女が身を変じて蛇体となり人民を苦しめたために大蛇降伏,利世安民を願っていったん他所へ遷し,のちに参詣の便を考えて再び現在地に遷祀したものという(山王宮社記/東金市史史料篇2)。大豆谷・台方・辺田方など東金郷6か村の総氏神として崇敬された。文亀3年の大旱に際しては6か村の村人が当社に参籠し降雨祈願をした。感応があったために村人は「郷社産神」としてさらに崇敬したという(明治15年神社明細帳写/同前)。元和6年に代官高室金兵衛が願主となって社殿が造営された(棟札/同前)。承応2年に雄蛇池の水利をめぐって紛争が起きたが,6か村の村人は当社の神助を得たので寛文3年6月に連合大祭典を行い(山武地方誌),以来現在まで6月15日に祭礼が行われている。この祭礼は隔年に行われるのが例で(山王宮祭礼定法之覚/同前),神輿渡御・神楽などがある。正徳4年にも降雨祈願がなされ(山王宮社記/同前),寛政6年には社殿修復のための勧進がなされたという。明治元年に日吉神社と改称し,同6年郷社に列格。表参道の杉並木は有名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7056619