船越鉈切神社
【ふなこしなたぎりじんじゃ】

館山市浜田にある神社。祭神は豊玉姫命。山側（南）の浜田区にあるのが船越鉈切神社の本社で，海側（北）の見物区にある海南刀(なた)切神社も含めて，なたぎり神社と呼んでいる。社伝によれば，創祀は神亀元年という。昔この地にいた大蛇を，独木舟で上陸した祭神が鉈で退治して住民を救ったという伝説がある。境内には，真二つに割れた高さ10m程の大岩があって，これが種々の伝説を生み，信仰を集めたのであろう。本殿裏には，奥行30mくらいの海食洞「鉈切洞穴」があり，縄文時代の洞穴遺跡として県史跡に指定されている。ほかに，平安期に作られたと伝える独木舟，元禄10年作の鰐口，かっこ舞が市文化財である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7056912