越前堀
【えちぜんぼり】

中央区新川2丁目付近にあった運河。越前堀は現在の越前堀公園を中心とする江戸期の越前福井藩主松平越前守の広大な屋敷の周囲にめぐらされていた堀。「府志料」には「越前堀 一二町目の外を繞る堀なり。此堀の内旧越前福井の邸なりし故に名を得たり。幅十二間より十五間,小舟を通ず」とあり,「画報」には「越前堀は市区改正のため,その大部分は埋填せられて道路に変じたるもなお東北銀(しろがね)町に接する所,ならびに南の方新船松町に残る両面に残渠を残せり」とある。この残りの部分も関東大震災後に埋め立てられ,わずかに栄橋・回漕橋の架かる隅田川に近い一部分のみが残っていたがそれも戦後の埋立で橋も撤去された。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7058962 |