100辞書・辞典一括検索

JLogos

23

河内
【こうち】


旧国名:武蔵

多摩川上流西岸,南方の三頭(みとう)山(1,527m)の山麓で,西南は甲斐国(山梨県)に接する。現在は奥多摩湖の両岸の地。西北方の七ツ石山(1,757m)や鷹ノ巣(たかのす)山(1,736m)などの山々の谷より流れ出た苧川(おがわ)が多摩川と合流する地点。「コーチ」とは河谷のこと,転じて河内に位置する集落のこと(地名の語源)。蔵王権現社(小河内神社)には,都重宝の一木造りの木造蔵王権現立像が現存し,その左肩腕の付け根に「弘安七年五月 現長大悉」の修理墨書銘があり,多摩川渓谷に行われた蔵王信仰の分布を知ることができる。また同社には応永21年と明記された額面もある。さらに八幡社には棟札があり,その裏面には「享徳三甲戌年八月十五日 祭神神霊神南左京大夫源正平公也 子孫一家建之 河村河内守正輝」とある。社務は河村氏が司ったという。また臨済宗普門寺は貞和年間足利尊氏の開基ともいう(新編武蔵)。
河内村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
河内(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7060456