戸越
【とごし】

旧国名:武蔵

由来は寛永20年板行の「行慶寺縁起」（行慶寺所蔵）では「江戸越えて清水の丘の成就院願ひの糸のとけぬ日はなし」の古歌をもとに江戸越説を伝えている。しかし一方で谷戸越説（中島利一郎：日本地名学研究）もあり，いずれとも決定できない。また享和３年の「武蔵国郡村仮名附帳」（品川神社所蔵）によると，これの読みについて「トゴエ」と見える。しかしこの読みについても東急田園都市線下神明駅付近の旧品川用水に架かる石橋銘に「ことごえはし」とある。目黒川の南方，中原街道沿いに位置する。なお，当地には馬込(まごめ)城主梶原家の家老戸越三郎兵衛が居住し，その古記録（中延法蓮寺墓地内，野村家墓碑銘）が伝えられている。
【戸越村(中世)】　戦国期に見える郷村名。
【戸越村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【戸越(近代)】　明治22年～昭和７年の大字名。
【戸越町(近代)】　昭和７～16年の荏原区の町名。
【戸越(近代)】　昭和40年～現在の品川区の町名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7062686