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吹上御苑
【ふきあげぎょえん】


近世江戸城内郭の内苑。名称の由来は,池沼にのぞみ,風の下より吹き上げる臨崖の地であるゆえという。本丸の防御地であり,太田道灌の頃は「かがまの場」という伏兵をおく場所であった。徳川氏入国前は局沢(つぼねざわ)(坪根沢)と称し,16寺があったが,江戸築城に際しこの寺院を外に移し,はじめは代官や年寄の邸地とした。秀忠の時は,御三家はじめ親藩の邸地となった。明暦の大火後,これらを外に移し,花園の庭園式に造り,吹上御苑と呼ぶようになり,8代将軍吉宗の時,庭園を実用化して薬園や研究所などを造った。その後は大きな変化はなく現在に至っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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