100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

有鹿神社
【あるかじんじゃ】


海老名(えびな)市上郷にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は大日孁貴命。祭神はこのほかに有鹿神とか,吾田鹿葦津姫,有鹿葦姫とも称されるが,いずれにしても地主神であるとされている(県史通1)。相模川・中津川・小鮎川の3川合流点の左岸に位置する。創祀年代は未詳。「新編相模」の引く縁起によると,天平勝宝6年藤原広政が神夢によって社殿を再建,同8年に墾田500町歩を神供にあてたと伝える。貞観11年11月19日に従五位下から従五位上に昇叙された(三代実録)。永徳元年,正一位の極階を授けられたと伝える。先の縁起によると,天正3年,別当総持院の慶雄が夢告により当社北東の池の中から石を得,神体として崇拝したと伝える。社殿は応永23年に沙弥宝樹によって修理され,翌24年11月に鐘が奉納された(日本古鐘銘集成)。その後,天正6年・元和8年・元文4年に社殿の修理・造営がなされたと伝える。近世には海老名郷5か村の総鎮守(新編相模)。祭礼は4月8日に神輿を8kmばかり離れた有鹿谷に運び,そこで神事を行い6月14日に帰座するのが例であった(同前)。こうしたことから,当社は有鹿谷の窟の湧水と関係があり有鹿郷の用水の守護神であるという説もだされている(県史通1)。別当総持院は海老山満蔵寺と号し古義真言宗で開山は弘吽という(記略)。総持院は天平勝宝6年に精舎草創がはじめられ,3年後に完成した。本尊は虚空蔵で,これは有鹿神社の本地仏であるともいわれる(新編相模)。天正19年11月,海老名の内で10石の朱印寺領が授けられた(記略)。明治6年郷社に列格。例祭日は7月14日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7065626