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伊勢山皇大神宮
【いせやまこうたいじんぐう】


横浜市西区宮崎町にある神社。旧県社。祭神は天照皇大神。かつては「新編武蔵」に「太神宮,除地三畝歩許,村内延命寺持」とあるように,久良岐郡戸部村に鎮座していて延命寺の社僧が奉仕していたが,横浜が開港されると,内外教化・国家鎮護のために明治3年4月権知事井関盛艮が,「野毛山の頂に遷宮し奉り,追て壮大高麗の宮殿を創立し,皇祚永久・国家の鎮撫を祈」るとの告諭を発し,さらに11月に県は太政官に対して天祖を野毛山に奉斎せんとの建白書を提出した(県建白書/横浜市史稿)。その後新殿の造営が進められ,翌4年4月15日に正遷宮が行われ,地名をそれまでの野毛山から伊勢山と変えている。「遷宮触書」に「元来右場所は海岸之絶壁」とあり(横浜市史稿),地理的要素も遷宮の理由と考えられる。これに対して神祇省は9月に,「官幣国幣社等外別格に処し」,例祭日には幣使を参向させることを決めている(神祇省令達/同前)。10月には英照皇太后宮(明治天皇嫡母)御名代が参拝した。同8年に県社に列格。大正12年関東大震災で社殿は全壊したが,昭和3年再建。「関東のお伊勢さま」として親しまれ,野毛山・掃部山両公園の中間の高台に鎮座するという名勝的要素もあって,横浜市民の崇敬を受け常に参詣者が絶えない。5月14~16日の例大祭は1年おきに神輿の渡御があって伊勢佐木町を中心に大変にぎわい,境内では「土師流神代神楽」が奉納される(市無形民俗文化財)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7065718