恩賜箱根公園
【おんしはこねこうえん】

足柄下郡箱根町箱根・元箱根にまたがる県立の都市公園。種別は風致公園。都市公園指定は昭和34年４月。計画決定面積・開設面積ともに15.9ha。当園は芦ノ湖に突出した半島状の，塔ケ島と呼ばれている地。もともと，宮内省が皇族の避暑と外国の賓客のための離宮を造営した所で，箱根離宮は明治19年７月に完成している。しかし，関東大震災・豆相地震（昭和５年）により壊滅的打撃を受け，付属家（侍従部屋や調理場で，現在御殿休憩所として開放）を残して，主館の西洋館御殿・日本館御殿ともに倒壊した。その後，離宮再建計画はあったが，戦争への時代の中で打ち切られた。第２次大戦後の昭和21年３月，離宮跡地は県に下賜され，同年５月この地を恩賜箱根公園として開放した。付近に，奈良期天平宝字元年に創建された箱根神社や，元和４年箱根宿設置時に植えられたという杉並木，元和５年，徳川２代将軍時に開設された箱根関所跡がある。また，もと箱根町芦川地区の旧国道に架かっていた江戸期の名橋といわれた芦川橋も現在白鳥池に架かる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7066276