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洲崎大神
【すさきだいじん】


横浜市神奈川区青木町にある神社。旧郷社。祭神は天太玉命・天比理刀売命。素盞嗚命・大山咋命を配祀。近世では洲崎明神(新編武蔵)・洲崎社などと呼び,現在では洲崎神社が俗称。治承4年に石橋山の合戦で敗れた源頼朝は海路安房に渡り,安房洲崎の安房神社(千葉県館山市)に参詣して再起を祈願した。建久2年6月に安房神社の神恩に報いるために現在地に神霊(天太玉命・天比理刀売命)を勧請したという(社伝)。ただし「新編武蔵」には,当社は古社だが勧請年代などは未詳とある。創祀以来鎌倉幕府のもとで厳粛な祭祀が行われ,特に式年には神職吉田家に烏帽子・狩衣を親子の分として2着ずつ賜るのが例であったという。神職の吉田家は,建久2年の当社創祀の際に吉田寛政が神主となって以来,相続継承されていると伝える。現存しないが,応安元年9月11日には沙弥□修らにより鐘が奉納されており(日本古鐘銘集成),当時神宮寺があったのかもしれない。神宮寺は洲崎山普門寺と号し,東神奈川の金蔵院末(本末帳集成)。近世には付近の村々の鎮守として崇敬され(新編武蔵),牛頭天王を合祀したという。明治維新で普門寺を廃し,同6年の社殿焼失後再建。同16年郷社に列格。大正12年と昭和20年に再度焼失したが,同31年に現社殿を再建。例祭日の6月6~8日には神輿を社前の海に担ぎ入れて安房本宮の神霊と会合する浜下りの祭事が行われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067540