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代官町①
【だいかんちょう】


旧国名:相模

(近世)江戸期~明治8年の町名。明治4年からは小田原駅を冠称。江戸期は小田原城下の町人町。脇町10町の1つ。当町と茶畑町・千度小路・古新宿町の4町は東海道沿いの通り町10町の南側に位置する。南は相模湾,北は宮前町,東は千度小路,西は茶畑町。町名の由来は,小田原北条氏の時に代官小路と呼ばれていたことによる。東の千度小路との間に,魚座商人が市立てしたことから市場横町と称された横町が本町あたりから続く。魚座は各町とは別に名主・組頭が置かれており,その魚座名主は当町に居住(細谷家文書)。また千度小路とともに当町には魚座商人が多く居住していた。貞享3年小田原町明細書上によれば,魚座役屋敷75軒のうち当町に29軒。なお同書上には,天正18年小田原入りした徳川家康に壺を献上した本町の半左衛門屋敷地360坪のうちの屋敷4軒が諸役免除されている(久保田家文書/県史資9)。鎮守は宮前町松原明神社。寺院は時宗福田寺,曹洞宗徳常寺,日蓮宗妙泉寺・妙経寺,浄土宗無量寺。災害については,元禄16年の大地震で全戸倒壊し,天明2年および嘉永6年の大地震でも大きな被害をうけ,また文化14年の大火では町中全焼となった。「新編相模」によれば,東西1町50間・南北1町6間,家数86軒,ほかに店借16軒。本人足役7人を負担(明治小田原町誌)。明治8年小田原駅幸町の一部となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067687