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第3海堡
【だいさんかいほ】


三浦半島横須賀市走水(はしりみず)2丁目にある海堡。旗山崎の北約2,600mに位置する。「海堡とは海中に人工の島嶼を築き之に防禦営造物を構築して兵備を施したものを称す」と「東京湾要塞歴史」に見える。千葉県側の第1・第2海堡に続き,明治25年8月に旧日本陸軍の設計で着工した。走水砲台と第2海堡の一直線上に建設を予定し,当時水深39m,短径1,800m,長径2,000mの楕円形の岩礁に石材を投入し,堰堤を築き,その内部に土砂を埋め立てて建設された。明治41年6月に完成した。当時の面積は6万4,000m(^2)に及び,大正期にかけて砲台が整備・充実された。しかし大正12年の関東大震災でほとんどの建物が傾いたり,海中に没したりといった壊滅的被害を受け,砲台も撤去された。このため第2次大戦中の防衛には,その役割を果たすことができなかった。戦後は米軍が観音崎から各海堡の間に防潜網を張ったが,昭和30年にこれも撤去された。現在,横浜港・東京港への航路である浦賀水道航路は東側に位置する。第3海堡と北の第2海堡とを結んだ地域は東京湾の中で航行数が多く危険なため,規制航行区になっている。また,当海堡は目視・レーダーともに確認しにくく,かつては魔の第3海堡と呼ばれ事故も多かったが,急閃灯も設置され,最近は事故もない。なお,航路標識は明治29年2月以来設置されている。また,ここは漁礁にもなり,漁場としての価値も高く,釣り船も多くみられ人気を集めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067702