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高部屋神社
【たかへやじんじゃ】


伊勢原市下糟屋にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は神倭磐余彦命・誉田別命ほか。もとは大住大明神と称していたが,近世期には糟屋荘127か村の総鎮守であったため糟屋荘惣社・糟屋惣社と称した(新編相模)。「寛文朱印留」には八幡宮と見える。創祀年代は未詳。「延喜式」神名帳大住(おおすみ)郡条に社名が見える。社地は建仁3年の比企能員の乱で滅びた糟屋有季の居城,丸山城の跡にあたるという。至徳3年12月に平秀憲が銅鐘(県重文)を寄進した(日本古鐘銘集成)。天文20年9月地頭渡辺石見守が社殿を造営(新編相模)。天正19年11月に徳川家康より糟屋郷内で10石の朱印社領を寄進され,近世へ継続した(記略・寛文朱印留)。現在の社殿は江戸末期のもの。別当糟屋山神宮寺は旧号を法禅坊といい,開山は嵩山居中(大本禅師),中興開山を海岳とし,鎌倉建長寺末(本末帳集成)。社僧として照林山円福寺があった。明治10年別当を廃し,大正6年郷社に列格。扇谷上杉定正が文明15年4月19日に寄進した大般若経と最勝王経の経筥などがある。現在,下糟屋の普済寺境内にある石造多宝塔はもとは当社神宮寺にあったもので高さ約6mで,市内最大の石造建築物。例祭日は9月15日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067782