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丹沢大山国定公園
【たんざわおおやまこくていこうえん】


県北西部に位置し,秦野(はだの)市・厚木市・伊勢原市,足柄上郡松田町・山北(やまきた)町,津久井郡津久井町,愛甲(あいこう)郡清川村の3市3町1村にまたがる国定公園。公園指定(県立自然公園から昇格)は昭和40年3月25日。指定面積2万6,345ha(うち特別保護地区1,867ha)。丹沢一帯は江戸期は御留山といい,ツガ・ケヤキ・モミ・スギ・カヤ・クリの6種の樹木が厳しく保護されたところ。関東大震災で表土が崩れ,一時山は荒廃した。園内には3つの吊橋をはじめ,10の橋梁,210.9haに及ぶ歩道が整備されている。標高1,672.6mの蛭ケ岳(ひるがたけ)を最高峰とするいわゆる丹沢山地のほとんど全部とその山麓の一部を包含する地域で,東・西・中央の3つの部分にわけられる。中央部丹沢は,当山地中最も山岳の重畳する部分で,東は中津川上流布川とヤビツ峠を経て金目川を結んだ線西側にあり,西は道志川上流の神ノ川と犬越路峠を経て酒匂川上流河内川を結んだ線によって限られる区域で,蛭ケ岳・丹沢山・塔ケ岳・鍋割山・大石山・石棚山・檜洞(ひのきぼら)丸を中心として,北には姫次・黍殻(きびがら)山・焼山・高畑山の山稜が続く。南には檜岳・花立・新大日・三ノ塔が続いてしだいに秦野盆地に向かって丘陵化する。東部丹沢は大山・辺室(へむろ)山・三峰山がある。西部丹沢は鐘撞(かねつき)山・大室山・加入道山・畦ケ丸(あぜがまる)・屏風岩(びようぶいわ)山・権現山の山系がある。また文化景観として,山岳宗教の対象として知られている大山阿夫利神社があげられ,特に雨降りの神として有名である。また,河内川上流箒沢(ほうきざわ)には国天然記念物である「箒スギ」があり,スギの巨木として知られている。そのほかクマ・シカ・カモシカ・イノシシなどの野生動物が生息する。また,檜洞丸・蛭ケ岳・丹沢山・塔ケ岳・堂平を中心とした地域の原始景観と札掛所在の県有考証林が特別保護地区とされている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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