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鶴見神社
【つるみじんじゃ】


横浜市鶴見区鶴見中央1丁目にある神社。旧村社。祭神は素盞嗚命・五十猛命。創祀は推古天皇の時で,神体は剣と伝えるが詳細は未詳。国学者黒川春村は「杉山神社神賀歌考証」で,「延喜式」神名帳都筑(つづき)郡条に「杉山神社二座」とあるのが当社のことと詳述しているが,旧都筑郡内には多数の杉山神社があり,その比定には諸説がある。古くは杉山神社と呼ばれ,承和5年2月22日霊験のために官幣に預り,同15年5月22日に従五位下を授けられている(続日本後紀)。「延喜式」神名帳では都筑郡条に載せていることから,当地はかつて都筑郡に属していたのかもしれない。昌泰年間に社殿が造営されたと伝え,仁治2年11月5日には九条頼経が当地を訪れており(吾妻鏡),その際に参詣したという。社伝では元亀3年に兵乱のため社記・旧記をことごとく焼失したという。近世期の宝暦3年正月に黒川四郎左衛門という者が社殿を造営し,その後嘉永6年6月に佐久間権蔵が社殿を改築したと伝える。天台宗西照寺が別当を勤めていたが,明治3年4月に廃寺となった。同時に,それまで牛頭天王と称していた素盞嗚命は八坂大神に,主神杉山大明神は杉山明神と改称し,同6年12月村社に列格。同33年社殿を焼失したが,大正4年に再建。同9年2月に鶴見神社と改称。古来から1月16日に田祭という特殊神事があったが,明治維新の際に廃絶。この田祭は佐久間権蔵・塩田九左衛門・塩田五左衛門の3家を中心とした村民12人が,社前で「杉山神寿歌」を歌うもの(横浜市史稿)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7068011