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鶴嶺八幡社
【つるみねはちまんしゃ】


茅ケ崎市浜之郷にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・佐塚大神。「新編相模」によれば,長承2年8月筑紫国宇佐鶏足寺の道印法師が八幡本地種字の正体を奉じて当地に至り開創したという。別当常光院もその時に創始されたといわれ,古義真言宗で,古くは勝軍寺,勝福寺と称していた。常光院開創の縁起「正悟記」によると,大庭景親の3代祖先良正が道印法師の檀那となっていたという。当社および常光院は源頼朝などからも社寺領を寄進されたというがつまびらかでない。境内に佐塚明神があって,八幡社と本殿を並べていた(新編相模)。「正悟記」には建久2年伊予国三島社の神が浦に出現したのを祀ったものという。佐塚社と八幡社は別社というが,あるいは古くからあった佐塚明神の中に八幡社が勧請されたとも考えられる。「東国紀行」に「相模川の舟渡して行は大なる原あり,砥上原とぞ,此原のあたりに見えたる神社あり,とへば八幡勧請の一なりとぞ」と見えているのは当社のこととされる。その後の沿革は未詳だが,慶安2年に7石の朱印状を与えられたと伝え,「記略」には常光院の朱印領7石と見える。近世には佐塚社と合わせて浜之郷村以下7か村の鎮守となっていた。明治6年に村社,昭和9年郷社となった。例祭は9月15日。社前の大銀杏は高さ27mで県天然記念物。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7068014