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中川温泉
【なかがわおんせん】


足柄上郡山北(やまきた)町の中川川上流にある温泉。丹沢山地のほぼ中央にある丹沢湖の北に位置する。武田信玄が小田原攻めの際,甲斐から丹沢を越え,中川川沿いに軍勢を進め,負傷者をこの湯で治療させたと伝わることから信玄のかくし湯といわれる。温泉は,周囲に分布する変成岩中に発達した亀裂に沿い湧出する。丹沢山地で,泉温25℃以上を保つ唯一の温泉である。熱源は,丹沢山地の中心部に地下深部より貫入した石英閃緑岩体の余熱であるが,地表の地熱地帯は長さ1km・幅0.5kmにも満たない小地域である。泉質は無色透明で,わずかに硫化水素臭のある単純温泉で,アルカリ性が強く,pH値は9~10を示す。昭和39年までは泉温26~32℃の温泉が,毎分10ℓほど自噴するにすぎなかったが,同40年深度300mの試掘孔井から,泉温40℃,湧出量毎分250ℓの源泉が湧出し,その後の温泉掘削ラッシュをまねいた。現在,源泉数6,温泉旅館7軒。昭和52年の丹沢湖の完成により,京浜地区の観光地として整備が進められている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7068178