宮内
【みやうち】

旧国名:武蔵

多摩川低地の中央部，多摩川下流右岸に位置する。当地は，多摩川の流れによって作られた肥沃な溝ノ口デルタで，地内西方には二ケ領用水が流れる。当地は中世稲毛荘の中心地であったと思われる。地名の由来については，神社や寺院・祠に囲まれた土地であるということによるとする説のほか，嵯峨天皇が旱魃のとき，雨乞のために宮内卿藤原朝臣某を奉幣使として当地の春日神社に派遣したところ，恵みの雨が降ったことから，その官職名にちなむという伝承がある（新編武蔵）。地内の春日社・常楽寺境内一帯は小高く盛り上がり，前方後円墳であるといわれている。
【宮内郷(中世)】　戦国期に見える郷名。
【宮内村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【宮内(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7069270