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森戸大明神
【もりとだいみょうじん】


三浦郡葉山町堀内にある神社。旧村社。祭神は大山祇命・事代主命。杜戸明神(鎌倉志)・守殿明神(十方庵遊歴雑記/県郷土資料集成6)とも書き,現在では森戸神社・明神さまが通称。社伝では源頼朝が治承4年9月に,伊豆国一の宮の三島明神(三島大社)の祭神を,もと山王の社地であった当地に勧請したと伝え,その理由として,頼朝が伊豆へ配流になった日に三島明神に源家再興を祈願し,その願いがかなったためとする。しかし創祀については未詳な点が多い。県内には同様の社伝を持つ神社が多い。文和2年6月26日に平某が葉山郷内の所領を寄進し,そのほか以前に寄進したところも安堵している(森戸神社文書/県史資3上‐4233)。その後皇室・領主以下の崇敬を受け,天正19年11月に徳川家康も葉山郷内の朱印地7石を寄進し(記略),近世期も継承し(寛文朱印留),葉山郷の惣鎮守であった(新編相模)。慶長2年12月・同19年6月に本殿が,慶長9年11月には拝殿が造営されている(棟札銘/相文5)。これには「森大明神」と見える。神主は,慶長2年12月27日の棟札に「守屋物部儀重」とみえ物部姓の守屋氏で(同前),弓削守屋(物部守屋)の後裔と伝える(鎌倉志)。神体は鏡面に鋳出した像という(新編相模)。明治6年村社に列格。例祭日(9月8日)に船謡の奉納・湯立神楽などがある。社宝として,伝運慶作猿田彦面,天文18年・慶長4年の牛王宝印版木などがある。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7069418