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森山社
【もりやましゃ】


三浦郡葉山町一色にある神社。旧村社。祭神は櫛稲田姫命。往古は守山明神・佐賀岡明神と呼ばれ(鎌倉志),近世では森山明神社(新編相模)。大峰山(三ケ岡山)の山麓に位置し,相模湾を眺望できる。社伝によれば,天平勝宝年間に東大寺僧良弁が勧請したというが,詳細は未詳。その後の沿革は未詳だが,天正19年11月には徳川家康から葉山郷の内3石の朱印地を賜り,江戸幕府からも同額を給された(記略・寛文朱印留)。近世には一色村の鎮守で,神体は束帯の坐像であったという(新編相模)。別当は社域に隣接する古義真言宗玉蔵院で(同前),逗子(ずし)の延命寺末(本末帳集成)。明治6年村社に列格。特殊神事が多く,「和漢三才図会」「新編相模」にも見えるように,例祭日(8月21日,現在は9月第1日曜)の前日に御酒水と称して壺の中に水を入れ神殿内に収め,翌年の例祭日の前日にこれを検し,水の濁り具合や吊した札の落ち具合で天候・風向などを占う神事で世計神事という。そのため世計明神とも称していたと伝える(新編相模)。また33年目ごとには神婚祭がある。これは逗子市小坪の須賀社(天照大神社境外末社)から祭神の素盞嗚命が神輿で渡御し,当社で7日間滞在するという神事。稲田姫と素盞嗚命の両神伉儷の儀であるという。近世には鶴岡八幡宮の社人・伶人・八乙女などを迎えての管絃なども行われていた(新編相模)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7069423