横浜上原教会
【よこはまうえはらきょうかい】

横浜市西区西戸部町にある日本基督教団所属のプロテスタントキリスト教会。旧日本メソヂスト教会派。米国メソヂスト監督教会宣教師Ｒ．Ｓ．マクレーは，明治６年６月に横浜に上陸。米国浸礼自由伝道会社宣教師Ｍ．ゴーブルが建設中の会堂を購入し，山手221番に移し「天安堂」と称した。会堂は明治９年６月に完成，「メソヂスト出版所」と称する書籍販売部を付設し，メソヂスト教会による横浜伝道の拠点となる。明治８年11月神奈川十番町に耶蘇教説教所（神奈川教会の前身）を，その裏に小学校「天縦学校」を設けた。明治10年不老町耶蘇教講義所を住吉町５丁目に移し，小学校「真理学校」を付設。明治12年，天安堂構内に神学生育成のため美会神学校（明治15年東京築地に移転，青山学院の前身）を設立。同17年９月神学校跡を女学校「聖経女学校」とした。明治19年，天安堂を長者町７丁目に移転，会員数100名余となり，翌20年自給独立教会となる。明治21年戸部町１丁目に戸部教会を分設，翌年の台風で天安堂が倒壊し，山手聖経女学校講堂を会堂とした際，「横浜美以(みい)教会」と改称。明治32年４月，蓬莱町１丁目に会堂を建設。大正６年頃，海外渡航の青年子弟養成を目的に横浜福音英語学校を付設。昭和初期には教会員数640余名，日曜学校生徒数250余名をかぞえる大教会となる。神奈川県でのメソヂスト教会の伝道拠点として，また禁酒運動をはじめ社会矯風覚醒運動にも尽力。昭和16年日本基督教団の成立に参加，日本基督教団横浜蓬莱町教会となる。昭和21年，横浜市内の蓬莱町・戸部・本牧の旧メソヂスト系３教会は，横浜日之出町教会（蒔田教会の前身）牧師で戸部教会を兼牧していた高柳伊三郎の斡旋で合併し，「横浜合同教会」と称した。旧戸部教会所在地に会堂を設立し「横浜上原教会」と改称。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7069601