100辞書・辞典一括検索

JLogos

30

粟島
【あわしま】


江戸期には粟生島と書いた。村上市の岩船港より北西海上35kmに位置する島。岩船郡粟島浦村が占める。南西から北東に延び,長さ7km余,最大幅約3km,面積9.55km(^2)。瀬波笹川流れ粟島県立自然公園のうち。南部の小柴山と北部の逢坂山を結んで脊梁山脈が走り,山脈全体が海に迫る。北部には数段の海岸段丘が見られる。沖積地は東岸の内浦集落にわずかにあるのみで,海岸はほとんどが海食崖。特に西岸の海食は激しい。新第三紀の七谷層に層する硬質頁岩が広く分布する間に,所々玄武岩の貫入があり,西部の立島には柱状節理も見られる。「越後名寄」に「牧馬在,一年交りに峰に追越て駒の棲し址に耕作し,粟黍を蒔植る」とあるが,現在放牧馬はいない。「越後野志」には「越後名寄」と同記事に加え,荒天時の避難港として優れた澗があるとし旅館和泉屋の記事がある。現在,釜谷と内浦の2集落がある。島民の生業は定置網によるタイ・ブリの漁業を主業とし,観光業・出稼ぎなどにも従事する。昭和39年の新潟地震で西岸80cm・東岸110cmが隆起し,湧水源も枯渇して水田は畑地になった。内浦港と村上市岩船港の間に定期船便がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7070077