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榎島
【えのきじま】


新潟市の中央部東寄りにある島。西は信濃川河口,東は阿賀野川河口,南は通船川で区切られる。東西6km・南北約3kmで面積約18km(^2)。阿賀野川は,かつて砂丘に阻まれて通船川筋を西流し,信濃川河口と合流していたが,享保15年新発田(しばた)藩の藩営工事により直接日本海に放流されるようになり,榎島が成立した。当初,水量が減って機能低下を来すと反対していた新潟湊の反対を押しての官許工事であった。しかし,享保16年の洪水で洗い堰が流され,流路も拡大して堀割が本河道となった。新発田藩は干上がった旧河道を掘り直し,通船川としたが功を奏さず,新潟湊の機能は低下した。榎島には松ケ崎・河渡(こうど)・榎新田・山ノ下新田の4村が残された。通船川はその後も細流化し,河川敷は耕地化された。現在排水用の細流が残り,一部は貯木場としても利用。島の海側には発達した砂丘が見られ,西端は信濃川臨港市街地,北東端に新潟空港があり,その間を火力発電所と新興住宅地が占める。島の南部低地は通船川対岸の沼垂地区に次ぐ市の工業地域。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7070887