100辞書・辞典一括検索

JLogos

21

横越島
【よこごしじま】


藩政期の島名。通称亀田郷。信濃川と阿賀野川の間にある。面積約85km(^2)でほぼ四辺形。島の南東部の一角が沢海(そうみ)藩領で,ほかは新発田(しばた)藩領。現在の新潟市,中蒲原郡の亀田町・横越町にまたがる。島名は「越後名寄」に,所在地の横越村に由来するとある。「越後野志」に「西方は信濃川,東・北の方は阿賀水にて之を包み,南方は阿賀水分流し,酒屋に到て信濃川に入てこれを包む,島の大きさ方四里許,村落百四十余邑あり」とある。「阿賀水分流」は現在の小阿賀野川,「阿賀水」は現在の通船川を指す。全島高い堤防で囲まれて輪中の様相を呈し,耕地の55%が海面以下という低湿沖積地。南東部横越町沢海の標高5mを最高に北西に傾斜し,北西部には悪水溜の機能をもつ鳥屋野(とやの)潟を有する。島の北部と東部には,南西から北東方向に延びる数列の古砂丘列が,西部には不定形に自然堤防列が認められ,近世初期以降成立の新田集落が立地する。島の北西部は信濃川河口右岸にあたり,「延喜式」の「蒲原津」の所在地に比定。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7079135