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高野本郷
【たかののほんごう】


旧国名:越中

(中世)戦国期に見える郷名。新川(にいかわ)郡のうち。元亀3年閏正月22日の河田長親宛状に「布施保虵田村之内新田十五貫文」等とともに「高野本郷内称之内横山分」が庄田惣左衛門に安堵されている(歴代古案別本/県史中)。天正9年に長親が病死すると,先に織田信長の命により越中に入部していた佐々成政は同年10月13日に高野のうち500俵の地を有沢図書助に宛行った(温故足徴)。しかし翌10年有沢図書助は上杉方の将土肥政繁につき,同8月3日に「高野之内本郷一円」を宛行われている(温故足徴)。高野郷内に本榔あるいは横山の地名は見られず,また高野七郷という地名もない。高野本郷は高野七郷に対して高野郷そのものを指して呼んだのではないかと思われる。有沢図書助は土肥政繁に従って弓庄城に拠り,成政に徹底的に抗戦したが,ついに支えきれず越後に逃れた。天正12年8月29日に上杉景勝は有沢図書助に高野本郷15か村の地を宛て行っており,天正13年2月19日には土肥政繁が島村および市田郷500俵の地を宛て行っている(武家事紀)が,実際に還住したかどうかは不明である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7082507