100辞書・辞典一括検索

JLogos

27

野尻
【のじり】


旧国名:越中

庄(しよう)川扇状地の西南端で,庄川右岸に位置する。中世以前,庄川が今より西へ流れていた頃は,当地の北辺を通り,小矢部(おやべ)川へ合流していたと思われる。この地にある石武雄神社に奉仕した修験道宝乗院の貞享2年の書上げには,昔信濃国水内(みのち)郡野尻(野尻湖の近く)から河合五郎・六郎の兄弟が永享年中来住し,故地の地名をもって野尻としたとある。しかし,野尻の地名はすでに「源平盛衰記」の寿永以前からあるので,これは誤りであろうと森田柿園は「越中志徴」に述べ,岩武野(いわたけの)の野の尻の意であろうとしている。「和名抄」にはまだ載っていないから,平安末期に生まれた地名であろうか。ここから東南の庄川扇状地南縁の一帯は野尻野と汎称され,近世初頭に盛んに新開が進んだ。
野尻荘(中世)】 南北朝期から見える荘園名。
野尻保(中世)】 戦国期に見える保名。
野尻村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
野尻村(近代)】 明治22年~昭和16年の村名。
野尻(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7083579