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正院
【しょういん】


旧国名:能登

能登半島北東部,飯田湾北岸沿いに位置する。古代の郡家,正倉院の置かれていた地と推定され,地名の由来となったと考えられる。大伴家持の「珠洲の海に朝びらきして漕ぎ来れば長浜の湾に月照りにけり」(万葉集巻17)の歌は,出挙のため当地を訪れた際のもの。地内には館(たち)薬師として祀られている室町中期~末期の3基の板碑のほか,50基近くの五輪塔の残欠,26基の板碑(バン並びに五輪塔陽刻)が海岸近くの畑地の一角に残る。また同所から珠洲(すず)陶破片も出土する。長浜八幡宮西畑地に御子塚,飯川(ままがわ)下流西沿いに弘法清水の伝承を持つ「聖水(しようすい)の井」がある。
珠々正院(中世)】 平安末期から見える院名。
正院郷(中世)】 南北朝期から見える郷名。
正院村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
正院村(近代)】 明治22年~昭和16年の珠洲郡の自治体名。
正院町(近代)】 昭和16~29年の珠洲郡の自治体名。
正院(近代)】 明治22年~現在の大字名・町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7087624