天笠山
【てんがいやま】

通称天笠岳ともいう。輪島市東寄り,町野町川西田長(たながい)の西にある山。標高235m。南志見(なじみ)泥岩層からなる。東側を町野川,支流の金蔵(かなくら)川,南西麓を南志見川で囲まれるブロック山地をなし,西側は白米(しろよね)町から西院内町に至る断層線で高洲(こうしゆう)・鉢伏(はちぶせ)山塊と境され,東側は町野川の沖積地に接し川を隔てて流紋岩からなる岩倉山(標高357m)と対向。南側は町野町金蔵の地滑り地に急傾斜をなし,北側に広く100m前後の緩斜面をもち,白崎から東方は大川海岸段丘(標高70mから90m)に漸移し,白崎より西方は一般国道249号でカットされた崖をなすが,巻坂付近では30mの断崖となっており,若返り谷を発達させている(輪島市史)。高度が低く肥沃な地域であるため,西側周辺の里町・渋田町・東印内町・小西山町(以上旧南志見村)や東の町野町川西・東大野・伏戸(ふせど)・大川の山麓集落にとっては里山として植林最適地。昭和48年から同52年にかけての林業構造改善事業でスギの植林や林道の建設が行われ,育成林業に努力が払われている。また山中には真喜野(まきの)の開拓集落がある。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7088443 |