念仏林
【ねんぶつりん】

旧国名:加賀
(近世~近代)江戸期~現在の通称地名。小松市符津(ふつ)町・月津町にまたがり,国鉄北陸本線粟津駅西側で,林野の間に田畑・住宅・工場が混在する地域。「能美郡誌」によると,念仏官山・御林とも呼ばれ,6万坪に及ぶ官有林で,2抱えもある大木が天にそびえ,鳥の声もかすかで,昼なお暗く,この地に入ると寂寥感に耐え切れず,念仏を漏らす者がいたことからの命名という。「皇国地誌」には樹種はマツで,めぐり1~3尺のもの,3,540株とある。付近は従来,縄文中期~弥生時代の念仏林遺跡の存在で知られていたが,昭和24年,さらに3.6m×3.3mの方墳が発見され,副葬品の提瓶・鉄鏃が出土した(小松町史)。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7088970 |