三小牛
【みつこうじ】

旧国名:加賀
三子牛とも書いた(寛文10年村御印)。犀川(さいがわ)西岸,倉ケ岳の北麓野田山の東部山陵に位置する。地名の由来は,芋掘藤五郎の伝説にでてくる三小牛山が地内にあることにちなむ。三小牛山は,金・銀・鉄の精が三匹の小牛となって出た山を三小牛山と名づけたとか(亀の尾の記),藤五郎が3つの金牛をつくり,この山に埋めたとか(三州名蹟志)の伝承をもつ。地内には藤五郎池という清水があったと伝える(加賀志徴)。縄文時代の遺跡が2か所あり,また通称サコ山の坂道からは麻袋に600枚もの和同開珎を詰めこんだ須恵器の大甕が出土している。南部の黒壁山は往古より魔所として畏怖され,信仰を集めており,金沢築城の際に前田利家は泰澄が開基したといわれる九万坊・八万坊・照若坊の3権現を山崎山から遷座した。
【三小牛村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【三小牛(近代)】 明治22年~昭和29年の内川村の大字名。
【三小牛町(近代)】 昭和29年~現在の金沢市の町名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7089953 |





