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雲津
【もづ】


旧国名:能登

毛須・毛寿とも書く。能登半島北東端,飯田湾北岸沿いに位置する。「続松葉集」に久毛津・能登とあり,「くもつ」が略されたものといわれる。「昔は此辺の津にて数千軒有し所也しに,或時猩々と云もの海よりあがり遊びしを殺せし其むくひにて,津波ありて人家のこらず退転せし也。今の村は其時教院,泰澄大師開基の大寺ありし門前に五,六軒有しが,又々一村と成しといへり。其寺跡地名に寺の前・大門・塔の上・不動坂・阿弥陀ケ池・上の六坊・下の六坊などとてあり。今も礎等ありて動かすことならず」(能登名跡志)という伝承があり,白山社別当清水寺(能登志徴)を中心とした相当大きな集落があったらしい。この付近一帯を雲津野と呼び,立山を望む絶景の地であった(三日月の日記)。平田山・東坊に経塚がある。
毛須(中世)】 平安末期から見える地名。
雲津村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
雲津(近代)】 明治22年~現在の大字名・町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7090129