夕日寺
【ゆうひでら】

旧国名:加賀

医王山(いおうぜん)山地，金腐(かなくさり)川右岸に位置する。地名は河北郡五箇(ごか)荘にある朝日村に対して名づけられたとも（加賀志徴），越中国射水(いみず)郡朝日の観音に対し，行基が当地に夕日寺を建立し，寺号が地名となったとも（三州奇談），また同じく越中朝日の観音像と当地のものが同木でつくられており，朝日のものが本木，当地のものが末木にあたることから夕日の名が付けられたともいわれる（加越能御絵図覚書）。夕日寺は泰澄の創建ともいわれ，はじめ下日寺と名づけられたが，延徳３年兵火にあい廃寺となったという（河北郡誌）。集落の東に南北朝期と推定される寺院跡があり，南西の金腐川左岸の山腹には縄文期の夕日寺遺跡がある（県遺跡地図）。
【夕日寺村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【夕日寺(近代)】　明治22年～昭和11年の大字名。
【夕日寺町(近代)】　昭和11年～現在の金沢市の町名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7090316