五郎丸
【ごろうまる】

旧国名:越前
日野川中流右岸,鯖江台地の小丘陵王山の東の平地に位置し,穴田川が東を南流する。古くは住笠庄(舟津社記増加註解),丹津・住笠・清津(舟津社記附記)と記載され,舟津神社の神楽男・巫女・下社人ら12戸が当村に居住したと伝えるが(舟津社記増加註解),「鯖江郷土誌」によれば,舟津神社の社家20戸のうち8戸が居住し,天正年間に帰農したともいう。五郎丸の名称は舟津神社の社家の名を取ったものという(鯖江市史民俗編)。「越前地理指南」に「南ニ清水二ケ所アリ,皿井,杉の森」と記されるように湧水が多い。なお,この清水は「名蹟考」では「天洲湖(あますご)清水」と記載され,舟津七所清水の1つとされる。「越前往来」にはこれら五郎丸清水の芹が「当国土産之名物」として記載される。天正13年正月20日横越証誠寺の善秀は「〈五郎丸〉浄源御房」に円誠寺の寺号を許している(円誠寺文書/鯖江市史諸家文書編)。慶長国絵図では今南西郡のうちに五郎丸村と見え,高406石4斗2升。
【五郎丸村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【五郎丸(近代)】 明治22年~昭和30年の大字名。
【五郎丸町(近代)】 昭和30年~現在の鯖江市の町名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7092579 |





