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酒生古墳群
【さこうこふんぐん】


足羽川がまさに福井平野に流出する地区の北岸,福井市荒木町から高尾町にかけての丘陵上に,東西約3kmにわたって分布する古墳群。丘陵主稜線上に中世の城砦が構築されているので不分明な箇所も混在するが,総数約324基を数える。墳形には異説もみられるが,前方後円墳1基,前方後方墳の可能性が強い古墳1基で,ほかは円墳か方墳(あるいは方形台状墓)とするのが穏当であろう。昭和38年から同62年までにうち10基が発掘調査された。主なものには次のような古墳を列挙しうる。13号墳は主稜線上西端部に所在する全長約47mの前方後円墳。30号墳はより高所に所在し,全長約31mの前方後方墳の可能性が強い。飯塚古墳(121号墳)は扇端部上に所在する径約43mの円墳。以上3基はいずれも未発掘であるが,4,5世紀の築造と推測しうる。新溜古墳(122号墳)はやはり扇端部上に所在する径約20mの円墳。刳抜式石棺1基から人骨・銅鏡・勾玉・管玉・ガラス小玉・鹿角装鉄刀・土師器などが出土し,6世紀前葉の築造。天神山7号墳(334号墳)は独立丘上に所在していた径約40mの円墳で,墳丘は現存しないが埴輪をそなえる。東・西各1基の粘土槨のうち,西方の第1主体からは銅鏡・金製垂飾付耳飾・竹櫛・勾玉・鉄刀剣・鉄鉾・胡簶・甲冑・楯・弓など,東方の第2主体からは銅鏡・竹櫛・勾玉・管玉・鉄刀剣など,地方の古墳としては異例の豊富な副葬品が出土し,5世紀前葉の築造。天神山10号墳(54号墳)は山麓部に所在する径約18mの円墳。横穴式石室から全銅製鞘金具・飾弓金具・馬具・須恵器などが出土し,6世紀後葉の築造。そのほか未発掘であるが,低丘陵上に所在する径約26mの円墳の狐山古墳(105号墳),扇央部上に所在し墳形・規模未詳の車塚古墳(123号墳),同じくおかま古墳(124号墳),山麓部に所在する辺長約12mの方墳の御廟古墳(126号墳)はいずれも横穴式石室を内蔵しており,6世紀から7世紀にかけての主要古墳である。当古墳群は南岸の御茸山古墳群と密接な関連をもって造営されているが,県下では最大の基数を誇り,とりわけ後期古墳の多さは越前地方では異例。こうした後期古墳文化の隆盛や,群内に白鳳期創建の篠尾廃寺が存在することや,足羽川が古代に生江川と記されていることなどから,当古墳群や篠尾廃寺を古代越前の雄族生江氏の造営とみなす説がある。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7092691