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下根来
【しもねごり】


旧国名:若狭

北川支流遠敷(おにゆう)川上流域に位置する。地名の由来は定かではないが,根来は朝鮮語のネ・コーリ(あなたの古里の意)からきているという説がある。下流から上流へ向かって白石・高野・下根来の3集落が点在し,このうち白石は霊亀元年若狭彦神(彦火火出見尊)が,養老5年若狭姫神(豊玉姫)が降臨したと伝える場所である(若狭国鎮守一二宮縁起)。現在そのゆかりの地に白石神社がある。神社の近く,遠敷川の渓流に鵜の瀬と呼ばれるせせらぎがあり,ここで毎年3月2日お水送りと呼ばれる行事が行われる。これは,天平勝宝4年,奈良の東大寺二月堂で行法が行われた際,狩猟に夢中になって遅刻をした遠敷明神(若狭彦・若狭姫両神の総称)が,お詫びとして閼伽水をここから送ったという伝説に基づく。また,遠敷川を音無川ともいうのは,その後毎年行法が行われる時期になると遠敷川の水が少なくなり水の流れる音がしなくなるためという(東大寺要録・東大寺縁起)。
下ねこり(中世)】 戦国期に見える地名。
下根来村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
下根来(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7093025