角川日本地名大辞典 中部地方 福井県 25 免鳥【めんどり】 旧国名:越前 北部に三里浜が広がり,西に日本海を臨む。地名の由来は「足羽社記略」に「鳥浦米止利,今云免鳥浦応神天皇,女,鳥皇女,御名代也歟」とある。「海賊の岩屋」といわれる5世紀末頃の横穴式石室を持つ古墳があり,この古墳の石棺の棺身が専念寺境内の手洗水用として使用されている。石棺は凝灰岩の刳抜式で舟形を呈し,全長2.8m・幅1.06m・深さ54cmで越前では比較的大型のもの。村名は慶長3年の坂井郡村々塩浜検地帳に見え,村浜は94間半で分銭14貫175文を名請人五郎左衛門尉・三郎右衛門が負担し,「かま四ツ」とある。また同史料に「おさか村浜」と見える村名は免鳥村の通称大坂(おおさか)の付近にあったと考えられる。おさか村は村浜43間で分銭6貫450文を名請人助右衛門が負担し,「しほかま弐ツ」とある(広浜伊左衛門家文書)。慶長国絵図には高256石余と見える。【免鳥村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。【免鳥(近代)】 明治22年~昭和42年の大字名。【免鳥町(近代)】 昭和42年~現在の福井市の町名。 KADOKAWA「角川日本地名大辞典」JLogosID : 7095442