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上積翠寺
【かみせきすいじ】


旧国名:甲斐

甲府盆地の北,荒川の支流相川上流に位置する。地勢は全体的に南西へ向かって傾斜し,ところによっては強い傾斜地域があり,中心地の標高は519mである。古くは積翠寺1村であったが,江戸前期に上・下に分かれた。積翠寺の地名は,鎌倉期に建立された臨済宗石水寺にちなみ,西堂に夢窓国師の築庭と伝える小庭があり,庭中の泉水が4m下の盤石に落下して飛瀑となる景色を石水と呼んでいたが,中世の頃に積翠と書き改められて寺名になり,さらに村名になった。集落は,洞(ほら)・中の洞(中組)・根古屋(東組)・鍛冶・西小路の5つに分かれ,それらの東方に標高787mの要害山があり,その一角を丸山といい,武田信虎が大永元年8月に築城した要害城があって信玄はその城内に誕生した。同城は慶長5年甲府築城を推進した浅野氏によって破却され,石垣・塁跡が残るのみである。西北の800mの高地には古湯坊鉱泉があり,600mの所にも要害鉱泉があり,ともに神経痛などの治療に効能がある。
上積翠寺村(近世)】 江戸期~明治8年の村名。
上積翠寺(近代)】 明治後期・大正期~昭和12年の相川村の大字名。
上積翠寺町(近代)】 昭和12年~現在の甲府市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096574