西湖①
【さいこ】

旧国名:甲斐
古くは西ノ湖・西海・西ノ海とも書き,「にしのうみ」と呼んだ。富士山の北面,御坂(みさか)山地十二ケ岳・節刀ケ岳の南麓,西湖の湖畔に位置する。南東に足和田山があり,南西には青木ケ原の樹海が広がる。地名は湖名に由来し,高所から望むと一嶺(雁坂峠)を隔てて東に河口湖があり,これに対して西にある湖を西湖と名付けたという(国志)。西湖は,貞観6年の富士山噴火により剗の海が分断されてできたという。集落は西湖と根場(ねんば)に分かれるが,昭和41年の26号台風による水害でともに一部が湖の南岸に移住した。北の十二ケ岳は役の行者が富士登山に際して斎戒した所と伝わる。地内に檀持山無量寺の廃寺跡があり,夢窓国師の住山した跡といい,寛政年間に山腹から掘り出された釜は夢窓国師の時のものという(国志)。地内青木ケ原には西湖蝙蝠穴と竜宮洞穴があり,コウモリとともに国の天然記念物。
【西海郷(中世)】 鎌倉期~戦国期に見える郷名。
【西湖村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【西湖村(近代)】 明治22年~昭和17年の南都留郡の自治体名。
【西湖(近代)】 ①明治22~25年の西湖村の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7097033 |





