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玉諸神社
【たまもろじんじゃ】


塩山市竹森にある神社。旧郷社。祭神は天羽明玉命。玉宮明神(国志),玉室明神(甲斐名勝志)と呼ばれた。「社記」では玉諸・玉宮両社があり,玉宮大明神の祭神は豊球玉屋命。奥宮と前宮の社地がある。現在では玉宮様が俗称。創祀年代は未詳。「延喜式」神名帳山梨郡条の玉諸神社といわれるが,甲府市国玉町にも同名神社がある。「社記」によれば,新羅三郎義光による社殿造営のほか,文安年間に武田信重が造営し,太刀を奉納。その後,近世末期文化年間までたびたび造営されたと伝える。永禄4年の武田晴信禁制の13番に「高もりの禰宜」と見え(八幡神社文書/甲州古文書1),竹森は高森とも書かれるから(国志),当社のことと考えられる。慶長8年3月の四奉行黒印で竹森のうちに2石9斗余の社領を有し,慶安元年10月将軍徳川家光の朱印をもって安堵され,社中竹木諸役なども免除された(社記)。近世には竹森・福生里両村の産土神だったと伝え(国志),慶長8年の四奉行黒印で福生里村のうちに1石1斗の社領を有し,竹森のうちに2石9斗余の社領を有していた。神体は水晶で,質・形状ともに絶品といわれたが,明治初期盗難にあった(甲斐名勝志・山梨鑑)。明治初期郷社に列格。例祭は10月14日,かつては11月申酉の日に鳥乞神事があり,鳥のついばむもので来年の豊凶・物価を占ったという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7097584