原之郷
【はらのごう】

旧国名:信濃
(近世)江戸期の村名。小県(ちいさがた)郡のうち。烏帽子岳西麓,神川(かんがわ)左岸の扇状地に位置する。地名は,扇状地面の地形原に由来する自然的地名と思われる。上田藩領。村高は,「元和高石帳」「正保書上」「元禄郷帳」ともに1,560石余,「天保郷帳」1,733石余。宝永3年原之郷指出帳(上田藩村明細帳)によれば,上原村・中原村・下原村の3か村を合わせて家数274・人数1,118(男617・女501),馬136。戦国期に真田氏が居館(御屋敷)を築き,六斎市が開かれた。天正年間真田氏は上田城下を形成するにあたり,当村民を城下に移させて原町をつくらせた。これにより当村を本原と称するようになったという(小県郡史)。元和8年上原村・中原村・下原村の3か村に分村したが(同前),以後も郷帳類ではこれらの村の総称として当村一村として扱われることが多かった。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7102783 |