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日岐郷
【ひのきごう】


旧国名:信濃

(近世)江戸初期の郷名。筑摩郡のうち。日岐村ともいった。犀川中流右岸に位置する。延喜式内社ともいわれる日岐神社(のち日置神社)がある。室町中期には仁科氏の支族丸山氏が当地に進出し,城砦を構えた。天正10年8月10日・同29日の小笠原貞慶書状案に「日岐事」「日岐之者」と見え,当地の城などをめぐって小笠原貞慶と仁科氏が戦っている(御書集/信史15)。貞慶は,同年11月9日「於日岐領拾五貫文」を北沢孫左衛門尉に,「於日岐領四貫文」を坂井与三兵衛に,同11年11月晦日には「日岐山四捨貫文」を日岐盛武に宛行った(北沢文書・坂井文書/同前15,御証文集/同前16)。分禄年間のものと推定される松本領郷村高附帳(県史近世史料5‐1)では,高353石余と見える。松本藩領。高は,「慶長改帳」では日岐と見え360石余,「正保書上」では日岐村と見え353石余。なお,寛永3~8年頃には上生野村(現明科(あかしな)町)・下生坂村・上生坂村・下生野村・小立野村(以上,現生坂村)の5か村に分村したと思われ,寛永19年の松本領村々高附帳(県史近世史料5‐1)ではすでに日岐郷は見えず,5か村が書き上げられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7102900