富田
【とみだ】

旧国名:美濃
三森山・水晶(すいしよう)山から西北に緩やかに開けた扇状地。地名の由来は,豊かに富んだ田が古くから拓けたことによるという(岩村町史)。地内大円寺は往古臨済宗大円寺のあった地。同寺は中世遠山氏の菩提寺で,高僧峰翁祖一禅師により建武年間のころ開創された。応永17年8月6日付の性勝首座に宛てた足利義持公帖には「美濃国大円寺住持職事」とある(妙興寺文書)。広大な寺域を有する大寺であったが,希菴禅師の元亀年間,武田勢侵入の際焼失,希菴は武田の刺客により倒れたという。また地内中央に古市場の小名があるが,宋銭などの出土もあり,古く市場の立った地と推定される。
【富田村(近世)】 江戸期~明治30年の村名。
【富田(近代)】 明治30年~現在の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107353 |





