静岡市
【しずおかし】

(近代)明治22年～現在の自治体名。市制町村制施行により江戸期の駿府城下に市制が施行されて成立。馬場(ばばん)町・茶町などの123町を編成。市役所を追手町に設置。安倍川下流域に位置する。地名は，慶安４年駿府藩主徳川家達の老臣が駿府の呼称府中を不忠に通じると考え，賤機(しずはた)山にちなみ賤が丘と命名した。駿府学問所頭取向山黄村は賤は賤しいを意味するために静に改め，静岡としたという。明治22年国鉄東海道本線が東京～静岡，静岡～浜松間に開通。明治41年豊田村大字南安東の一部，同42年南賤機村大字安西・安西井宮・安西内新田・安西外新田を編入。大正３年安倍川大洪水で堤防が切れ，浸水町92・浸水家屋8,263・死者４の被害があった。昭和３年豊田村，同４年安東村・大里村，同７年賤機村，同９年大谷村・久能村・長田(おさだ)村・千代田村・麻機(あさはた)村を合併し91大字を加える。同８年上水道の給水を始める。同10年大谷地震で大字大谷・小鹿・高松に大被害があった。同15年85町におよぶ静岡大火が発生（焼失家屋5,047・被害者２万8,156）。同18年登呂遺跡発見。同20年静岡空襲により全市が焼土となる（罹災者11万4,000・死者1,670）。昭和23年西奈村，同30年美和村・服織(はとり)村・中藁科(なかわらしな)村・南藁科村，同33年清水市大字中吉田・平沢および大字谷田・中之郷の一部を合併し32大字，同42年起立の２大字，同44年大河内村・梅ケ島村・井川村・玉川村・清沢村・大川村を合併して49大字，同45・49・50～52年起立の22大字を加える。昭和39年国鉄東海道新幹線開通，同44年東名高速道路全線開通。区域変更・住居表示などがしばしば行われ，大正４・同13・昭和３・同７・同10～11・同16・同20・同33・同36・同39～41・同45・同47～55年合計約262町が新設され，現在住居表示実施地区は160余を数える。昭和55年呉服町地下街でガス爆発が起こり死者15を出した。世帯・人口は大正９年１万4,543・７万4,093，昭和25年４万6,107・23万8,629，同35年７万54・32万8,819。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7111858