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札ノ辻町
【ふだのつじちょう】


旧国名:駿河

(近世~近代)江戸期~昭和20年の町名。明治5~22年までは静岡を冠称。江戸期は駿河城下96か町の1つ。明治22年からは静岡市の町名。駿府城大手門のほぼ正面に位置する。町名は七間町と呉服町通の交差する四ツ辻に町奉行所の高札場があったことによる(駿河志料)。貞享3年の家数は本家10・借家16(府内時之鐘鋳直申ニ付入用集銭帳)。元禄5年の家数11(うち丁頭屋敷1・会所1)・人数132,丁頭は権左衛門(元禄5年申2月駿府町数并家数人数覚帳)。元禄年間創設の駿府定火消では蛇目組に属し,出人足は5人,文政4年創設の町方百人組合火消では府中4組のうち南組に所属(旧版静岡市史)。地内に水車小屋がある(駿国雑志)。寛永年間難波屋仁左衛門宅は町口加番の本陣として公私ともに駿府城内の諸用を命ぜられた(駿国雑志)。慶応2年徳川家茂の長州征伐の際の「駿府町人献金帳」によれば,当町では塗師屋永倉兵右衛門・扇子屋谷田庄兵衛がそれぞれ75両を寄付し,金具屋利助などは85両を献金している(静岡中心街誌)。徳川家達が駿府に移ってからは当町界隈は種々の大道商人でにぎわい一時大繁昌した(静岡市史余録)。明治期には静岡の中心地として栄えた(静岡商工会議所ニュース)。大正4年の戸数31・人口206。昭和20年両替町2丁目・呉服町1~2丁目・七間町となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7114040