本坂峠
【ほんざかとうげ】

三ケ日(みつかび)町大字本坂と愛知県豊橋市の境にある峠。標高326.8m。北の稜線には坊ケ峰,南の稜線には多米(ため)峠がある。古くから遠江(とおとうみ)国と三河国の国境にあたり,古代においては官道の東海道よりもよく使われた。二見の道とも呼ばれ,橘逸勢もこの峠を越えている。近世も東海道の脇往還姫街道(本坂通)のルートとして通行が多かったが,「本坂通宿村大概帳」に「字七曲り本坂峠の難所有之」とあるように難所の1つであった。大正4年,峠の南,標高270mの地点に本坂トンネル(幅5m・長さ120m)が完成し,峠越えの旧道の利用は激減した。また,昭和50年3月には,さらに南の標高128m地点に長さ1.4km・幅員6.0m・2車線の有料の本坂トンネルが着工され,同53年3月完成,4月1日供用開始となった。有料区間は本坂から豊橋市嵩山(すせ)に至る2.0km。国道362号が通過する。峠越えの旧道は荒廃の一途をたどっていたが,近年「姫街道を守る会」により整備され,ハイキングコースとなっている。峠名は,三河の宝飯(ほい)郡を古く穂の国といったことから,穂の国に至る坂の意で穂ノ坂が本坂に転じたとも,「穂ノ境」が本坂に転じたともいう。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7114216 |





