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田町
【たまち】


旧国名:三河

(近世~近代)江戸期~現在の町名。明治初年から明治22年まで岡崎を冠称。江戸期は岡崎城下の1町。岡崎城の西,外郭内の東海道往還筋に面し,町並みは北東の下肴町に続き屈曲して南西の板屋町に接する。伝馬役町。享和2年の書上では,高18石余,ほかに田町分として六名村に73石余,西牧内村に34石余(旧岡崎市史)。「旧高旧領」では高141石余,うち伝馬所除地14石余。天正18年に岡崎城主となった田中吉政が,翌年から岡崎城西の沼地を埋立て造成した町と伝えられ,町名は沼田に由来。当町は伝馬町とともに塩座が置かれ,塩専売の特権を有していたが,これは慶長12年の大洪水の被害から町の復興を図るため,新市を立て竹木塩商売を幕府に願い出て同14年許されたからであった(旧岡崎市史)。市日は16・26・29日であったという。享和2年の書上では,町の長さ2町58間・幅3間,家数66・人数236,職業は塩問屋1,塩仲買6,伝馬役取の馬士4,穀問屋・薪商売・大工各2,木綿問屋・医者などが各1,ほか農業および日雇稼32など。稲荷社がある。明治15年の戸数42・人口193,耕宅地2町余(岡崎市史)。同22年岡崎町,大正5年からは岡崎市に所属。同12年国道1号が開通。世帯数・人口は,昭和元年74・236,同28年119・558。同51年一部が八帖北町となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7120257