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一ノ井
【いちのい】


旧国名:伊賀

市之井とも書いたという(三国地誌)。宇陀川の支流滝川左岸の平地から丘陵部にかけて位置する。地名についてはこの地に市が立ち井戸が設けられたことから起こったとする説もある(黒田庄誌)。丘陵部に古墳時代の遺跡が残る。また道観長者の宅址があったと伝える(三国地誌)。地元の伝承によれば,道観はこの地に住み栄華をきわめた平安期頃の長者で,驕慢不遜な振る舞いを続けていたが,妻子が病臥してからは居館を捨て持領の八幡山に隠遁,前非を悔い,山中から材木を切り出して奈良東大寺二月堂の修復に寄進したという。この顛末は伝説の域を出ないが,二月堂の正二会に用いられる松明は地区民で組織する松明講が毎年調進を続けており,700年の伝統があると伝えられる。
一井村(中世)】 鎌倉期から見える村名。
一ノ井村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
一ノ井(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7125235