100辞書・辞典一括検索

JLogos

38

稲木
【いなぎ】


旧国名:伊勢

稲城とも書く。櫛田川下流右岸,祓川左岸の平地に位置する。地内字古川・学王寺・田垣内・城の垣内・保山垣外・往生寺山等に古代末期から中世にかけての遺跡が多く,土師器片等が各所に散布する。中世には市が開かれ,稲木市として射和(いざわ)の中万市と並び称されたという(漕代郷土誌)。祓川(多気川)は稲木川とも呼ばれ,勅使参向時には臨時に再拝橋(幸橋)が架けられた。「いのりつゝ猶さいはひの橋柱たつ名もくるし思ひやまばや」という太宰大弐高遠の詠が知られており,江戸期には橋杭を削り取って,おこり病や小児の夜泣き封じのまじないに用いられたという(参宮名所図会)。
稲木郷(古代)】 平安期に見える郷名。
稲木神田(中世)】 南北朝期に見える神田名。
稲木村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
稲木(近代)】 明治22年~昭和42年の大字名。
稲木町(近代)】 昭和42年~現在の松阪市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7125279